障害年金と自立支援医療の関係【専門の社労士が徹底解説!】

結論:障害年金と自立支援医療は別々の制度で、どちらか一方の利用が他方の受給を左右するものではありません

障害年金は病気やけがで生活や仕事に支障が出た場合の所得保障の仕組みであるのに対し、自立支援医療(じりつしえんいりょう)は心身の障害を軽減するための医療について医療費の自己負担を軽減する公費負担医療の仕組みです。目的も申請先も異なる別の制度であるため、障害年金を受給していることが自立支援医療の利用資格に直接影響することはなく、逆に自立支援医療を利用していることが障害年金の審査結果を直接左右するものでもありません。

対象となる方・基礎説明

自立支援医療には次の3種類があります。

種類 対象
精神通院医療 統合失調症など、精神保健福祉法第5条に定める精神疾患があり、通院による治療を継続的に必要とする方
更生医療 身体障害者手帳を持つ18歳以上の方で、手術などの治療により障害の軽減が確実に見込まれる方
育成医療 身体に障害のある18歳未満の児童で、同様に治療の効果が確実に見込まれる方

自立支援医療の利用には、原則として医療費の1割を自己負担しつつ、世帯の所得に応じて1か月あたりの自己負担上限額が設けられています(制度の詳細は見直しが行われることがあります)。一方、障害年金は、初診日における加入制度や保険料の納付状況、障害の状態についての認定基準など、自立支援医療とは別の基準で審査されます。

受給のポイント

  • 自立支援医療受給者証や精神障害者保健福祉手帳の等級と、障害年金の等級は、それぞれ別の基準・別の審査機関で判定されるため、必ずしも一致しません。
  • 自立支援医療は医療費の負担軽減、障害年金は生活費の支え、という役割分担で、両方を同時に利用すること自体は制度上妨げられていません。
  • 申請先も異なり、自立支援医療は市区町村の窓口、障害年金は年金事務所や街角の年金相談センターが窓口となります。

よくある質問

Q1. 自立支援医療(精神通院医療)を利用していると、障害年金の審査で不利になりますか?

A. 自立支援医療の利用自体が障害年金の審査結果を直接左右するものではありません。障害年金は、診断書や病歴・就労状況等申立書などの内容から、障害の状態や保険料の納付状況といった別の基準で審査されます。

Q2. 精神障害者保健福祉手帳の等級と障害年金の等級は同じになりますか?

A. 両者は判定基準や審査の仕組みが異なるため、必ずしも一致するとは限りません。手帳の等級が重くても年金の等級が異なる場合や、その逆もあり得ます。

Q3. 障害年金を受給しながら自立支援医療も利用できますか?

A. 制度上、両方を同時に利用すること自体は妨げられていません。それぞれ別の窓口で申請が必要になりますので、詳しくは市区町村の窓口や年金事務所にご確認ください。

まとめ

障害年金と自立支援医療は、目的・申請先・判定基準がそれぞれ異なる別の制度です。どちらか一方の利用状況が他方の審査結果を直接左右するものではありませんが、両方の制度を上手に活用することで、生活費と医療費の両面から支えを受けられる可能性があります。ご自身がどちらの制度を利用できるか不明な場合は、お住まいの自治体の窓口や専門の社会保険労務士にご相談ください。

グロースリンク社会保険労務士法人 社労士 障害年金相談


著者情報

城間 ジェイキ(しろま じぇいき)
社会保険労務士/グロースリンク社会保険労務士法人 障害年金担当

ペルー人の両親のもとに生まれ、幼いころから日本語が不自由な両親を支える経験を通じて、人の役に立ちたいという強い思いから、労務・社会保険のプロを志し社会保険労務士試験に一発合格。グロースリンクグループの障害年金担当として多くの人が人生をより豊かに、より安全に過ごせるように障害年金を活用して頂くことを目的として様々なご相談や手続きなどのお手伝いをしている傍ら、障害年金セミナーをコンスタントに開催。障害年金制度の知名度向上に努めている。

※本記事は2026年10月時点の情報です。自立支援医療の自己負担上限額や対象範囲は見直しが行われることがあるため、最新の内容はお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

ご相談のご予約
052-756-3036

受付時間:9:00~18:00(平日)