脊柱管狭窄症・頚椎症性脊髄症で障害年金はもらえる?脊柱・体幹の機能障害の認定基準と診断書のポイント
目次

こんにちは!
四日市を中心に障害年金のサポートをしている城間(しろま)です。
「脊柱管狭窄症で、ちょっと歩くと足がしびれて、休まないと先へ進めない」「頚椎症性脊髄症で、手先がうまく動かなくて、字を書いたりボタンを留めたりするのがむずかしい」——。障害年金のご相談をお受けしていると、背骨や首の病気による体の不自由さについて、こういうお話をうかがいます。
結論からお伝えすると、脊柱管狭窄症・頚椎症性脊髄症も、障害年金の対象になり得ます。ただ、「痛みやしびれがある」というだけで等級が決まるわけではないんです。背骨や手足の機能がどのくらい損なわれていて、日常生活の動作がどれだけ制限されているかで判断されます。
この記事では、脊柱・体幹の機能障害の認定基準の考え方と、診断書で状態を正しく伝えるポイントを、四日市のみなさんに向けてわかりやすくお話ししますね。
この記事の要点まとめ
- 脊柱管狭窄症・頚椎症性脊髄症も、「肢体の障害」(体幹・脊柱の機能障害、手足の機能障害)として対象になり得る
- 判定の中心は痛みの強さではなく、可動域・筋力・巧緻性・速さ・耐久性と日常生活動作
- 脊柱の可動域制限による3級は、他動可動域が参考可動域の2分の1以下と基準は厳格
- 神経症状(歩行障害・手指の細かい動作の障害など)を伴う場合は、手足の機能障害も含めて総合的に認定
- 診断書には「何分歩けるか」「何ができないか」を具体的に反映させることが鍵
- 3級は障害厚生年金のみ(初診日に厚生年金へ加入していることが必要)
脊柱管狭窄症・頚椎症性脊髄症は障害年金の対象になるの?
はい、対象になり得ます。これらの病気は、障害認定基準のうち「肢体の障害」のなかで、体幹・脊柱の機能障害や手足の機能障害として見られます。
- 腰部脊柱管狭窄症:背骨の中の神経の通り道が狭くなって、足のしびれや痛み、少し歩くと休まないといけなくなる症状(間欠跛行)などが出る
- 頚椎症性脊髄症:首の骨や椎間板の変化で脊髄が圧迫されて、手のしびれ、細かい作業のしづらさ、歩きにくさなどが出る
大事なのは、病名そのものじゃなくて、その結果として体の機能がどうなっているかという点なんです。
どんな基準で判定されるの?——体幹・脊柱の機能障害
体幹・脊柱の機能障害の等級の目安は、次のとおりです。
| 等級 | 判断の目安 |
|---|---|
| 1級 | 体幹の機能に、座っていることができない程度、または立ち上がることができない程度の障害があるもの |
| 2級 | 体幹の機能に、歩くことができない程度の障害があるもの(室内では補助用具なしで移動できても、屋外では補助用具が必要な程度) |
| 3級 | 脊柱の機能に著しい障害を残すもの(明らかな器質的変化により、脊柱の他動可動域が参考可動域の2分の1以下に制限されたもの) |
1級・2級は障害基礎年金・障害厚生年金のどちらでも対象で、3級は障害厚生年金のみです。上の表はあくまで目安で、実際には日常生活動作の状態もあわせて総合的に判断されます。
ちなみに、脊柱の運動機能は、原則として前屈・後屈の可動域で見ます。傷んでいる部位以外の部位が動きを補うので、一部分ではなく脊柱全体の運動機能と日常生活動作を踏まえて認定されるんです。日常生活動作の目安としては、ズボンの着脱、靴下を履く、座る、深くおじぎをする、立ち上がる、といった動作が挙げられています。
神経症状があるときは、手足の機能障害も見られる
脊柱管狭窄症や頚椎症性脊髄症では、神経が圧迫されることで手足に症状が出ます。認定要領では、神経系統の障害を伴う場合、脊柱の運動障害だけでなく、随伴する神経障害を含めて総合的に認定するとされています。
手足の機能は、関節可動域、筋力、巧緻性(細かい動作のうまさ)、速さ、耐久性を考慮して、日常生活動作の状態から総合的に判断されます。病気ごとに、こんな点が見られます。
- 脊柱管狭窄症:連続して歩ける距離、休まなければならない頻度、片足で立てるか、階段の上り下り、下肢の筋力低下
- 頚椎症性脊髄症:箸やスプーンで食事ができるか、ボタンやひもの扱い、字を書く、つまむ・握る、歩くときのふらつき
排尿・排便に症状がある場合も、診断書に書いてもらって、状態をきちんと伝えておくことが大切ですよ。
「痛み・しびれ」だけで等級は決まらない
痛みやしびれは、ご本人にとって本当につらい症状です。ただ、障害年金の審査では、自覚症状そのものよりも、関節可動域・筋力・歩行の状態・補助具の使用など、機能の状態が重視されます。
なので、MRIなどの画像で「狭窄が強い」と言われていても、機能の制限が軽ければ、上位の等級にはなりにくいのが実情です。基準はけっしてゆるくなくて、日常生活が大きく制限されている状態が前提になります。それから、手術や治療で症状が改善した場合は、改善した後の状態で評価されます。
受給できる場合の年金額(令和8年度)
障害基礎年金の額は、令和8年度(昭和31年4月2日以後生まれの方)でこうなっています。
- 1級:年額1,059,125円(月額約88,260円)
- 2級:年額847,300円(月額約70,608円)
- 18歳到達年度末までの子がいる場合の加算:2人目まで1人につき243,800円、3人目以降は81,300円
障害厚生年金(1〜3級)は、これに加えて、加入していた期間や報酬に応じた額が上乗せされます。
診断書・申立書で気をつけたいポイント
①「痛い」ではなく「何ができないか」を具体的に伝える
「足がしびれてつらい」だけだと、日常生活の制限が伝わりません。「何分(何メートル)歩くと休まなきゃいけないか」「杖や歩行器、手すりが必要か」「靴下が履けない」「ズボンの着脱に時間がかかる」など、場面と数字で医師に伝えましょう。
②「悪いとき」の状態も伝える
姿勢や時間帯、天気によって症状が変わる方も少なくありません。診察室では比較的調子が良く見えても、普段は立っているのもつらい、ということがあるんです。一番つらいときの状態を、遠慮せずに医師へ伝えてくださいね。
③手先の細かい動作もメモしておく
頚椎症性脊髄症では、手指の細かい動作の障害が日常生活に大きく影響します。箸が使えない、ボタンが留められない、字が書けない、小銭がつまめないなど、具体的なエピソードを記録して診察のときに伝えると、診断書に実態が反映されやすくなりますよ。
④経過と補助具の使用状況を整理する
手術の有無や時期、リハビリの内容、コルセットや杖などの補助具をいつから使っているかも、判断材料になります。受診の経過をあらかじめ時系列で整理しておくと、診断書や申立書の作成がスムーズです。
初診日と加入していた年金制度の確認
脊柱管狭窄症や頚椎症性脊髄症は、中高年の方に多くて、長い年月をかけて少しずつ進行することが多い病気です。障害年金でいう初診日は、最初に腰や首の症状で医療機関にかかった日になるので、整形外科などへの初めての受診日がとても重要になります。
その初診日の時点で厚生年金に加入していれば障害厚生年金(1〜3級)、国民年金のみなら障害基礎年金(1・2級)が対象です。あわせて、保険料の納付要件も確認が必要です。古い受診歴はカルテが残っていないこともあるので、早めの確認をおすすめします。
よくある質問
Q. 手術を受けた場合は、対象になりませんか?
手術を受けたこと自体で対象外になるわけではありません。手術後の状態で、体幹や手足の機能にどの程度の制限が残っているかが評価されます。症状が十分に改善した場合は、等級に該当しないこともあります。
Q. MRIで「重度の狭窄」と言われました。必ず認定されますか?
画像の所見だけで等級が決まるわけではありません。審査では、可動域、筋力、歩行や手先の動作といった機能の状態と、日常生活への影響が見られます。画像の所見と、実際にできない動作が診断書でつながっていることが大切です。
Q. 働いていると対象外になりますか?
就労しているだけで、すぐに対象外になるわけではありません。どんな仕事内容で、どんな配慮を受けているか、体への負担でどれだけ休まざるを得ないかなど、就労の中身が評価されます。
まとめ
脊柱管狭窄症・頚椎症性脊髄症は、「肢体の障害」として、体幹・脊柱や手足の機能の状態、日常生活動作の制限の程度で判定されます。痛みやしびれの強さではなく、何ができなくなっているかが見られるので、診断書にその実態を具体的に反映させることが何よりも大切です。
「自分の状態で対象になるのかわからない」「診断書にどう書いてもらえばいいか不安」——そう感じたら、どうかひとりで抱えず、まずは気軽に声をかけてくださいね。四日市を中心に、障害年金の無料相談を受け付けています。LINE・オンラインでも対応していますよ。
参考文献
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html
- 日本年金機構「障害認定基準 肢体の障害(体幹・脊柱の機能の障害)」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-7-3.pdf
- 日本年金機構「障害認定基準 肢体の障害(肢体の機能の障害)」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-7-4.pdf
- 日本年金機構「障害年金の受給要件・年金額」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
執筆者紹介

城間 ジェイキ(しろま じぇいき)
社会保険労務士/グロースリンク社会保険労務士法人
四日市を中心に、障害年金の申請サポートをしています。「制度がむずかしくて、どこから手をつけたらいいかわからない」という方に、できるだけかみくだいてお伝えすることを大切にしています。背骨や手足の病気では、「痛い」だけじゃなく「何ができないか」をどう伝えるかが大切です。迷ったら気軽に声をかけてくださいね。


初めての方へ



