脊髄小脳変性症・多系統萎縮症で障害年金はもらえる?進行性の神経難病の認定基準と申請のポイント
目次

こんにちは!
四日市を中心に障害年金のサポートをしている城間(しろま)です。
「脊髄小脳変性症と診断された。歩きにくさやろれつの回りにくさが少しずつ進んでいる」「多系統萎縮症で、ふらつきや立ちくらみがつらい」——。障害年金のご相談をお受けしていると、進行性の神経難病を抱えた方やご家族から、こういうお話をうかがいます。
結論からお伝えすると、脊髄小脳変性症(SCD)や多系統萎縮症(MSA)も、障害年金の対象になり得ます。どちらも国の指定難病で、症状が少しずつ進んでいく病気です。この「進行性」という特徴が、申請のタイミングや等級の考え方に大きく関わってくるんです。
この記事では、これらの神経難病の認定基準の考え方と、申請で気をつけたいポイントを、四日市のみなさんに向けてわかりやすくお話ししますね。
この記事の要点まとめ
- 脊髄小脳変性症・多系統萎縮症も障害年金の対象になり得る(ともに指定難病)
- 歩行・起立・言語などの運動機能や日常生活の制限の程度で判定される
- ふらつき・ろれつ・立ちくらみなど複数の症状を合わせて総合的に見られる
- 進行性のため、症状が進んだら「額改定請求」で上の等級を求められる
- 診断書に「今の状態」と「進行の経過」を正確に反映させることが大切
脊髄小脳変性症・多系統萎縮症は障害年金の対象になるの?
はい。どちらも、障害の状態が基準に該当すれば障害年金の対象になり得ます。
脊髄小脳変性症(SCD)は、小脳などが少しずつ萎縮して、歩行時のふらつき(運動失調)、ろれつが回りにくい(構音障害)、手の細かい動作のしにくさなどが現れる病気です。多系統萎縮症(MSA)はその一つの型で、これらに加えて立ちくらみ・排尿障害などの自律神経症状、手足のこわばり(パーキンソン症状)を伴うことがあります。
これらの症状によって、歩く・立つ・話す・身の回りのことをするといった日常生活がどれだけ制限されているかに応じて、等級が判断されます。
どうやって判定されるの?——複数の症状を合わせて総合的に
脊髄小脳変性症・多系統萎縮症は、一つの症状だけでなく、さまざまな症状が組み合わさって日常生活に影響するのが特徴です。なので、判定も複数の観点を合わせて総合的に行われます。
- 肢体(運動機能)の障害:歩行・起立・立ち上がり、手足の動作の制限
- 言語の障害:構音障害(ろれつが回らない)による意思疎通の困難
- その他の症状:強い倦怠感、嚥下(飲み込み)の障害、自律神経症状 など
「歩行の障害だけを見ると2級に届かないように見えても、言語障害やその他の症状を合わせると該当する」というケースもあります。症状を一つひとつもれなく伝えることが大事ですよ。
等級の目安
進行の程度により、だいたい次のように区分されます。
- 1級:日常生活のほとんどに常時介助が必要な状態(歩行不能・寝たきりに近いなど)
- 2級:日常生活が極度に制限され、多くの場面で援助が必要な状態
- 3級:労働に著しい制限がある状態(障害厚生年金のみ)
3級は厚生年金に加入していた方(会社員・公務員など)が対象で、国民年金のみの方には3級がありません。
進行性の病気ならではの申請ポイント
①「今の状態」を正確に——良い日基準で書かない
症状には日による波があります。診断書は、調子の良い瞬間ではなく平均的な状態・できないことを基準に作成してもらうことが大事です。ふらつきで何度も転ぶ、長い距離を歩けない、ろれつが回らず電話がむずかしい——こうした具体的な困りごとを、しっかり主治医に伝えましょう。
②症状が進んだら「額改定請求」で上の等級を
進行性の病気では、受給開始後に症状が重くなったときに、「額改定請求」で上の等級への見直しを求められます。たとえば、はじめは3級や2級でも、進行して介助が必要になれば、より上の等級を請求できます。「一度決まった等級のまま」ではない、という点はぜひ知っておいてくださいね。
③初診日の確認
これらの病気は、はじめ「ふらつき」「転びやすさ」などで受診し、確定診断までに時間がかかることがあります。障害年金でいう初診日は、最初にその症状で医療機関にかかった日になることが多いので、当時の受診記録の有無が重要です。早めに整理しておきましょう。
診断書は状態に応じて複数になることも
脊髄小脳変性症・多系統萎縮症では、肢体の障害用の診断書を基本に、言語障害やその他の症状の程度によっては複数の診断書が必要になることもあります。どの診断書をそろえるべきかは状態によって変わるので、見極めが大切です。
よくある質問
Q. 指定難病の医療費助成を受けています。障害年金とは別ですか?
はい、まったく別の制度です。難病医療費助成(医療費の補助)を受けていても、障害年金(年金の給付)は別途申請が必要です。両方を利用できる場合があります。
Q. まだ歩けるのですが、早いでしょうか?
歩けても、ふらつきや言語障害などで日常生活・就労に支障が出ていれば対象になり得ます。進行してからではなく、今の状態で該当するか一度確認する価値がありますよ。
Q. 働いていると対象外になりますか?
就労しているだけで即対象外にはなりません。どんな配慮のもとで働いているか、その中身が評価されます。
まとめ
脊髄小脳変性症(SCD)・多系統萎縮症(MSA)は、歩行・言語・その他の症状を合わせた日常生活の制限の程度で、障害年金の等級が判定されます。進行性の病気なので、症状が進んだら額改定請求で上の等級を求められること、そして診断書に今の状態を正確に反映させることが、とりわけ重要です。
「自分の状態で対象になるのか知りたい」「進行してきたので等級を上げられないか」——そう感じたら、どうかひとりで抱えず、まずは気軽に声をかけてくださいね。四日市を中心に、障害年金の無料相談を受け付けています。LINE・オンラインでも対応していますよ。
参考文献
- 厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(第7節 肢体の障害/第15節 神経系統の障害)」 https://www.mhlw.go.jp/
- 難病情報センター「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)/多系統萎縮症」 https://www.nanbyou.or.jp/
- 日本年金機構「障害基礎年金・障害厚生年金を受けられるとき」 https://www.nenkin.go.jp/
執筆者紹介

城間 ジェイキ(しろま じぇいき)
社会保険労務士/グロースリンク社会保険労務士法人
四日市を中心に、障害年金の申請サポートをしています。「制度がむずかしくて、どこから手をつけたらいいかわからない」という方に、できるだけかみくだいてお伝えすることを大切にしています。進行性の病気は申請のタイミングや等級の見直しが大切です。迷ったら気軽に声をかけてくださいね。


初めての方へ



